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今週のヤンマガ(2017年2-3号)▶両生類のリアルな生態を描く作品から、5年ぶりに帰ってきた劇作家の物語に注目です!

マンガレビュー

f:id:hotclock:20170202212720j:plain 電子版:今週はグラビアなし

 

2017年12月12日(月)発売の週刊ヤングマガジン・電子版のレビューです。今週号は巻頭カラー&64ページの『7人のシェイクスピア』、両生類の飼い主あるあるが詰まったハートフルコメディ『よしふみとからあげ』などが読みどころ!

 

微ネタバレなので、本誌で内容を確認したい方/コミックでまとめて読む派の方は、ここから先のスクロールを注意してください m(_ _)m

 

 

『7人のシェイクスピア』貴族社会にパンチを食らわせた最初のクリエイター

今週より新連載される『7人のシェイクスピア』は、過去に「ビッグコミックスピリッツ」で掲載されていたハロルド作石先生の作品です。前作はコミックス6巻分を第一部として 2011年に完結しています。

 

16世紀のイングランドが物語の舞台なので、現在との時間・空間的な背景の違いがスムーズに理解できるのか? また、わたしのように第一部を読んでいなくても登場人物のストーリーを追えるのか? といった点が心配でした。

 

表紙から冒頭部にて、「登場人物説明」と「シェイクスピアの謎」が提示されており、すんなりと世界には入れましたが、少しとっつきにくい感もあります。

 

リバプールを離れロンドンの大きな屋敷に移り住むところから、この第二部となる作品がスタートします。主人公のランス(シェイクスピア)と、貿易商として一財を成したワースを中心に、冒頭からキャラクターがたくさんでてきました。

 

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ただし、この作者の描き分けは丁寧で、顔の特徴だけでなく動きやセリフ回しによって個性を明確にしつつ、「なぜ大きな屋敷に越してきたのか?」「リバプールとロンドンの芝居の違い」といったキーワードを盛り込みながら――

 

芝居の魅力と、当時のイングランドにおけるエンタメの可能性

 

――を、動きのある描写で魅せています。現代のようにモノが十分にない世界であっても、「食う寝る」だけでは人間は満足しない。パンを減らしてでも、人生を豊かにしてくれる芸術を観たい! 感じたい! と考える人間の性を解説しています。

 

この第二部の物語は 1588年から始めるので、「ロミオとジュリエット」「ベニスの証人」といった作品が発表される数年〜10年ほど前。シェイクスピアには別人説や、複数人の合作であったという説もあり、作品も初期〜中期は初演がよく分からないようです。

 

シェイクスピアの正体(新潮文庫)

シェイクスピアの正体(新潮文庫)

 

 

シェイクスピアの作品に関しては、英語圏の考え方を理解する古典として、挑戦してきましたが、戯曲(シナリオ)なので、どうも読みづらく何度も断念。しかし、近年発行された「光文社古典新訳文庫」バージョンで読み通すことができました。

 

この光文社の新訳に、ドストエフスキーやトルストイといった文学作品から、ルソー、ロックといった哲学書までを身近にしてくれました。ただし、新訳に対する批判も多く、特に「カラマーゾフの兄弟」「赤と黒」といった作品に、許しがたい誤訳があるとの意見もみられます。

 

 

アホロートルの飼い主あるあるが満載? 『よしふみとからあげ』

メキシコサラマンダー(♀)の「からあげ」と飼い主の「よしふみ」が、自然環境に優しいロハスな生活を送る中で、哺乳類と両生類の垣根を超えて生まれた温かい関係を描いています。

 

――というのは、もちろん嘘。本作を読んだことのある方は、ご存知のようにサディスティックなウーパールーパーと、他人が決めたルールに逆らえないマゾ気質のある「よしふみ」による掛け合い漫才のようなお話です?

 

今回は、珍しく社用以外で外出する「よしふみ」のお話。

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このコマでは、

いつもSNSでは 社畜あるあるで 大盛り上がりなんだ

 

――というように、自らを社畜として認めている「よしふみ」ですが、過去の話では「俺が社畜?」みたいな感じで自覚がなかったように思うのですが……。まぁ、そんなところもユルい感じで読める楽しい作品です。

 

また、本作はヤングマガジン掲載の『ロボニートみつお』と同じく、資本主義社会の矛盾をするどく指摘するシビアな面も持ち合わせています。

 

グローバル化し格差が広がる日本社会の中で、決して弱音を吐かず、元嫁が置いていった両生類を淡々と育てる「よしふみ」の姿は、まさしく現代の『雨ニモマケズ』。毎回感動させられるものがあります?

 

こういったテーマは、過去に梶原一騎先生の『巨人の星』など多くの少年漫画で扱われて来ましたが、現代の特徴は「努力しても這い上がる可能性がない」という点にあります。

その点でいえば、『ロボニートみつお』の今後にも注目しています。

 

 


関連記事(先週分): hotclock.hateblo.jp