今週のヤンマガ(2017年6号)▶格闘漫画の歴史に残る痛いシーンから、安定した恐怖? のアクションホラーまで、今週も見逃せません
2017年1月7日(土)発売の週刊ヤングマガジン・電子版のレビューです。どの格闘技が最強なのかを模索する『喧嘩稼業』がいよいよ決着? 独特の世界観が定着した『彼岸島 48日後…』加えて、新連載もスタートするという盛り上がりぶりです。
力本筋には触れませんが、微妙にネタバレなので、本誌で内容を確認したい方/コミックでまとめて読む派の方は、ご注意ください m(_ _)m
最強の格闘技は古武術? 空手? プロレス?『喧嘩稼業』
昨年から続いていた、陰陽トーナメントの決着がいよいよつきそうです。ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、今回の見所は――、
――が、あったところでしょう。
【今回の話を読んだ人ならわかるはず……】
過去に格闘漫画では、猿渡哲也先生の「TOUGH(タフ)」で骨折や、靭帯が伸びる様子シーンをレントゲン写真のように透過して見せる手法がとられていましたが、今回の『喧嘩稼業』では、肉体の一部分をデフォルメして、なおかつリアルな痛みを感じさせる表現になっています。
また、この第三試合では、主人公の師匠・入江文学と、世界的なアンダーグラウンド格闘技(殺し合い)で圧倒的な強さを見せてきた、櫻井裕章が「竜虎で対峙する」シーンも見ものでした。
本作ではストーリー上の勝ち負けも気になりますが、1コマごとの表現に奥行きがあり見事です。
たとえば、技が決まる瞬間はスローモーション/観戦しているライバルが感想を述べるシーンは少しテンポを落として……と、1シーンごとに時間の流れが変わる部分なども読み応えがあります。
すでにWeb上では「ネタバレ」として、結果が記事やSNSのコメントで流れていますが、漫画好きなら、そのようなコメントを読む前に作品を通して、今回の試合を「体験」するべきでしょう。
安定したホラー・ギャグ・アクションを魅せる『彼岸島 48日後…』
最初に『彼岸島』が週刊ヤングマガジンに連載されたのが 2002年。吸血鬼サバイバルホラーとして、ホラーな表現はもちろんのこと、残虐なシーンが極端すぎて、もはやギャグの域に達しています。
今週の『彼岸島 48日後…』でも、ホラー/ギャグ? 独特の世界観は健在で、彼岸島ワールドにおける「丸太」や「角材」の解釈もいつも通り。読んでいるわたし達も、すっかり慣らされた感があります。
これまで数回に渡って「金剛」という、いわゆる中ボスの解説がなされていましたが、今週は、いよいよその敵が居る「明治屋ホテル」に向かうシーンで終わります。
建物にたどり着くまでには、まだ一苦労ありそうで、究極の敵は「雅」であることから、クライマックスは少し先のようですが、ジェットコースターが徐々に頂点へと向かう一番緊張するシーンでもあります。
次週は歴史モノの読み切りも
次週(2017年7号)では「スカイハイ」などで有名な、高橋ツトム先生の読み切りが掲載される予定。ドイツがフランスなどに侵攻した1940年という時代設定で、ドイツの田舎町で起きる事件を描いているようです。
ナチスおよび、枢軸国に関連する物語と言えば、フィリップ・K・ディックの小説『高い城の男』がドラマになっています。
小説を読む限りでは、映画にするには尺が足りず、ドラマにするには予算がかかりすぎる印象を受けましたが、本作は通常の映画会社による配給ではなく、Amazon.com で制作され、日本のプライム会員にも配信されています。
また、ディックの小説は作品によっては(ヴァリスなど)難解ですが、この『高い城の男』は、日本の文化もでてくるので入りやすかったです。映画「ブレードランナー」の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を推す人もいますが、『高い城〜』も良いと思います。
はてなブログでも、100件以上の投稿記事があるようですね。
- 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1984/07/31
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ネット動画の配信社がオリジナルを制作するビジネスモデルはネットフリックスでも進んでおり、ドラマ「ブレイキング・バッド」のスピンオフ『ベター・コール・ソウル』が有名。「ブレイキング・バッド」に出てきた派手な弁護士が主人公になっています。
Amazon.co.jp プライムの場合は、月額400円ぐらいで「映画・ドラマ」「音楽」を楽しめるので、結構お得感があります。わたしは、ネットフリックス、Hulu、U-next を時々利用。特にU-nextは年に一回ぐらいキャンペーンで無料になるので、いい感じです。
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