今週のヤンマガ(2017年4-5号)▶カイジの新しいスピンオフシリーズ開始。三姉妹の日常をほっこり描く『みなみけ』
2016年12月26日(月)発売の週刊ヤングマガジン・電子版のレビューです。今週号からは、「トネガワ」に続くカイジの新スピンオフ『1日外出録ハンチョウ』が連載を開始。そして、カイジシリーズとは真逆のベクトルを持つ三姉妹の物語『みなみけ』に注目です。
微ネタバレなので、本誌で内容を確認したい方/コミックでまとめて読む派の方は、ここから先のスクロールを注意してください m(_ _)m
あの有名シーンが再び『1日外出録ハンチョウ』
カイジのスピンオフ作品『中間管理録トネガワ』でもわかる通り、福本伸行先生のアシスタントを務めてきた作家が制作しているので、この『1日外出録ハンチョウ』も安定して面白かったです。
カイジの名シーンを彷彿とさせる「シュワシュワ」も出てきますし――、
「賭博黙示録カイジ」とは違って黒服の個性も出ており、本作を読んでから過去作を読んでも世界観が広がるのではないでしょうか。
バブル期にはなかった優しい日常を描く『みなみけ』
三姉妹。と聞くと、脳内で反射的に「CAT'S EYE(歌:杏里)」が再生されてしまいます。北条司先生の「キャッツ♥アイ」〜「シティーハンター」といった時代は、不動産バブル〜ITバブルと景気の良い時代で、トレンディドラマという、今見ると恥ずかしくなるような作品も生まれました。
懐かしい気持ちで、YouTubeを検索してみたのですが、いま聴き直すと「こんな遅いテンポだったんだ……」と、ちょっと寂しい気持ちになった反面で、「昔の曲はみんなで歌えたなぁ」と、懐古厨になりかけてしまいました。
ヤンマガ連載中の三姉妹が登場する漫画は『みなみけ』です。この作品も何度かアニメ化されています。アニメ版では原作のシンプルな描画よりも美人になってます。また、「ねんどろいど」のシリーズとしてグッズも販売されています。
なお、今週のヤンマガでは、
- 1日外出録ハンチョウ → 立ち食いそば
- 侠飯(おとこめし) → シンガポール・チキンライス
- ネオンさん → ラーメン&餃子
- ロボニートみつお → 半額弁当
――と、美味しそうな食事シーンが出てきましたが、『みなみけ』の場合は「年越しそばの話題」で、年末年始のコタツのぬくもりを感じさせています。
外食で、いつもより高級な食事をするのも楽しいけど、気を使わずに接することができる友人・家族と、まったりしながら食べる何でもないお菓子も良いですよね。後々記憶に残るのも、そんな当たり前の時間だったりします。
本作は、そんな「特別でないことが特別」という、日常の優しい雰囲気が描かれていました。
次週は『喧嘩稼業』がいよいよ決着か?
次週(2017年6号)は、昨年から続いている第三試合の行方が気になる『喧嘩稼業』が連載予定。東南アジアで発展した実践武術・シラットを使いこなす櫻井裕章と、富田流・入江文学の決着が、いよいよつきそうです。
あり得ない早さ!RAWシラットのファイトスキル!byルークホロウェイ
両者ともに、鼓膜の破壊・耳の断絶・上腕の骨折と、まさしく命がけで闘ってきた勝負は、どのようなカタチで終わるのか? ここまでは、相手の技を受けて自分の技を繰り出す「後の先」で優勢にある櫻井ですが、古武術の伝統を背負う「文さん」も負けてないはずっ!